麻痺手を挙上するということの一考察 その③

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麻痺手を挙上するという
ことについて・・・

『上肢は胸郭・肩甲骨と
 連動して動いている』

『胸郭を介して左右の
 上肢を協調させて

 動かすことが改善に
 つながるヒントに
 なる』

『ヒトの大脳・脳幹・
 脊髄・筋肉には四肢を
 連動させて動かすシス
 テムがもともと
 備わっている。』

ということをヒトの進化の過程や
発達の過程を交えながら
お伝えしてきました。

今回は、

肩関節と肩甲骨の動きを確認してゆきます。

また、
麻痺が生じてしまった上肢の改善に
つながるような、リラクゼーションを中心とした運動方法を
解説してゆきます。

そして最後に、
動画でもお伝えします!!

 ※動画はこのページの最後に
  あります

それでは、
まず肩関節と肩甲骨の動きを確認しておきましょう!

肩関節には、

 屈曲・伸展    

 内転・外転    

 内旋・外旋    

 水平外転・水平内転

と呼ばれる、
4つの運動方向があります。

これに加えて、
肩甲骨の動きにも・・・

 挙上・下制    

 外転・内転    

 上方回旋・下方回旋    

 前傾・後傾

という
4つの運動方向があります。

これに前腕・手指そして
全身の動きも加わるわけ
ですから、ヒトの上肢が
かなり複雑に動くことが
できるのも頷けますよね!

脳卒中の後遺症で麻痺が
生じてしまうと・・・

その回復過程で共同運動
という症状が現れます。

これは、

個々の筋肉を動かそうと
しても付随する他の
筋までつられてしまい、

肩や肘などの上肢の
各関節が一緒に動いて
しまうという症状です。

例えば、

麻痺が生じてしまった腕を前方にリーチしようとする時には・・・

・肩甲骨の挙上
・肩の内旋
・肘の屈曲
・頚部体幹部の過伸展

が生じることが多く
見られます。👇

なぜ、

この様な動きになって
しまうのでしょうか?

肩甲骨周囲には様々な筋肉があり、
複雑な動きを作り出しています。

上肢の挙上運動における
主動作筋としては三角筋が一般的に知られていますが、

それ以外にも様々な筋肉が
協調的に働くことによって、
リーチ動作や挙上動作が
可能になっています。

脳卒中などの後遺症ではこれらの
筋群が協調して働きにくくなって
しまいます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 肩甲筋板-L1解説付-1.png
ローテーターカフ

例えば、

 ・棘上筋・棘下筋
 ・小円筋・肩甲下筋は

回旋筋腱板(ローテーターカフ)
として知られているリーチ動作や
挙上動作には必要不可欠な
筋群ですが・・・

脳卒中などの後遺症で麻痺が生じ、
上手く機能しなくなることによって
リーチ動作や挙上動作に影響が出て
しまいます。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 大円筋と広背筋①-2.jpg
広背筋と大円筋

広背筋と大円筋は、

主に肩関節の

 ・伸展・内転・内旋

という運動をします。

普段の生活では、
ズボンの後ろポケットに手を
伸ばす動きと言えばイメージ
しやすいでしょうか。

つまり、

リーチ動作や上肢を挙上する動きと
拮抗することになりますね。

できれば、

リーチ動作や挙上動作をする時には
筋緊張が亢進していない状態が
保てると良いでのですが・・・

上手く機能しないとリーチ動作や
挙上動作に影響を与えます。

そこで、

今回はこの共同運動を
なるべく生じさせないで
上肢に良好な感覚刺激を
入れてゆく運動を

お伝えします!

 一緒に行って
   みましょう!👇

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投稿者:齊藤次男

<取得資格>

  • 理学療法士 
  • 介護支援専門員

<経歴>

  • 東京生まれ
  • 川崎第一病院・リハビリテーション科にて勤務
  • 久保田整形外科クリニックにて勤務
  • にしよこはま訪問看護ステーション
    にて勤務
  • JCCA(日本コアコンディショニング協会)マスタートレーナー
  • オーストラリアンマニュアルセラピー 上級コース終了
  • 川平リハラボ ナイトセミナー受講

<趣味>

登山 映画鑑賞 読書(推理小説)