麻痺手を挙上するということの一考察 その2

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胸郭・肩甲帯を介して、

左右の上肢を連動させて動かすことが麻痺手を改善に導くヒントになるかもしれません!

それは、

元々ヒトが四つ足動物だったからです!

というのが

『麻痺手を挙上するということの一考察』

でのお話でした。

今回は・・・

『ヒトの大脳・脳幹

 ・脊髄・筋肉には

 四肢を連動させて

 動かすシステムが

 元々備わっている

 のです!』

というお話です。

ヒトの発育発達の過程で・・・

頚が座り、

寝返りができ、

ハイハイでの四つ這い移動ができ、

高這いで移動能力が向上し

座位・立位保持ができ、

歩行ができる

そして、100メートルを9秒台で走れるようになる!

42.195キロメートルを2時間ちょっとで走れるようになる!

ま、まあ・・・

100メートルを9秒台、

42.195を2時間ちょっと・・・

というのは生半可な練習量ではないでしょうが(;^_^A

まあ、それはともかくとして(;^_^A

2足歩行で

ある人が走っている時・・・

推進力を作り出すために、

上のイラストでは左腕を思いっきり
前に振り出していますね。

それに対して右腕は後ろに強く引かれています。

つまり、

推進力を生みだす為に
腕はいったん後ろに引かれ、
前に振り出す推進力を発揮する

運動エネルギー

を作り出しているわけです。

四つ足動物も一緒ですね。

推進力を生みだす為に前足を抱え込むように運動エネルギーを蓄えて・・・

一気に前方に振り出していますね。

つまり、

ヒトの上肢を『前足』という
とらえ方をすると、

腕を前方にリーチしたり挙上する為には
運動エネルギーを蓄えるような
動きが必要なのかもしれません。

脳卒中後遺症等で生じてしまった麻痺手に対して、

リハビリ場面ではどうしても

前方へ・上方へ
という練習が多くなってしまいます。

日常生活での上肢使用場面は
前や上が多いので、

どうしても私たち理学療法士も
そういった内容のプログラムを
提供してしまいがちです。

ヒトの上肢の挙上には、

・肩関節屈曲

・肩甲骨上方回旋

・胸椎伸展に伴う胸郭の挙上

が必要になります。

下肢・体幹部の安定性は言うまでもありませんが・・・

ただ、

麻痺が生じてしまった上肢にとっては
なかなか上手くいかないことが多いのです。

そこで、

逆のパターンの動きを行うことで・・・

麻痺手の挙上をする運動エネルギーを蓄えるとともに・・・

・肩関節屈曲

・肩甲骨上方回旋

・胸椎伸展に伴う胸郭の挙上

をする為の筋群をストレッチして
反射効果を誘発する運動を、

動画でご紹介します。

前へ・上へという意識を少し変えて、

その準備運動として実施して頂ければ嬉しいです。

その他、上肢機能の自主練習は

こちらも見てみてください!👇

投稿者:齊藤次男  

<取得資格>

  • 理学療法士 
  • 介護支援専門員

<経歴>

  • 東京生まれ
  • 川崎第一病院・リハビリテーション科にて勤務
  • 久保田整形外科クリニックにて勤務
  • にしよこはま訪問看護ステーションにて勤務
  • JCCA(日本コアコンディショニング協会)マスタートレーナー
  • オーストラリアンマニュアルセラピー 上級コース終了
  • 川平リハラボ ナイトセミナー受講

<趣味>

  • 登山 映画鑑賞 読書(推理小説)

<ひとこと>

理学療法士として20年の経験を積んできました。

急性期病院・訪問看護ステーション等で、
多くの脳血管疾患の患者様の身体と
生活の改善に取り組み、
成果を出してきました。

人間1人1人が全く違うように、

脳梗塞・脳出血・パーキンソン病
・脳挫傷・大腿骨頚部骨折と、

同じ診断名でも身体の状態は
1人1人全く違います。

もちろん生活の仕方も、改善の目標も違います。

その為、

「この疾患だからこのリハビリ」

というような、
画一的なリハビリプログラムを提供していてもダメです。

私は、

お一人お一人の身体状態や生活状況や目標にあった、
より効果を上げられるリハビリプログラムを作り、
ご提供したいと思っております。

室内でのリハビリに留まらず、
自立につながる屋外での実践的な
リハビリを提供できるスペシャリストだと自負しています。

ご利用者様の

「改善をあきらめたくない」

「生活を楽しみたい」

「復職をしたい」

などの思いに寄り添い、
目標実現に向けて全力でサポートいたします。