TKA後の筋力訓練
人工膝関節置換術(TKA)は日本では年間9万件の手術が行われています。
そして多くの病院のリハビリで膝関節周囲の筋力トレーニングを行いますが、TKAを行うと大きな問題が生じます。
それはTKAを行うと膝関節周囲の感覚障害が生じやすいことです。
固有受容器が存在する靭帯や関節を切除するため、膝関節周囲の感覚障害を引き起こしやすいです。
動作を行うとき感覚をフィードバックしながら運動を調節するので、感覚障害があると動作を阻害する原因の一つとなります。
感覚障害がある中でただ筋力トレーニングをするだけでよいのか?
ある症例報告で
筋力増強訓練期間と感覚運動トレーニング期間でどちらのほうが大腿四頭筋の筋力・膝関節周囲の感覚の改善するか、といった報告がありました。
筋力増強訓練はパテラセッティングやOKCでの自重膝伸展運動、起立着座訓練など
感覚運動トレーニングでは上記の訓練を弾性包帯を巻いた状態で行ったり、不安定版の上で立位保持など固有感覚受容器が促通される環境下・課題にて大腿四頭筋の収縮を活性化させる運動を実施
結果はどちらも意義のある改善効果は認められたが、感覚運動トレーニング期の方が改善率が高い結果が認められました。
固有感覚情報量の増加に伴い身体図式の変化、自己所有感の増加となり運動プログラミング時点で膝伸展という動作が確立されたのではないか、といった考察が考えられます。
こういった報告から、ただ筋力トレーニングをするのではなくいかに感覚入力をしていくかが大切かと考えられます!