〇麻痺側上肢の促通
脳卒中発症後上肢に重度麻痺を抱えた場合、実用手に戻ることは簡単ではありません。しかし全く使えない廃用手と、少しでも日常生活に麻痺側上肢が参加できる状態では日常生活の幅が大きく変わっていきます。
例えばご飯を食べるときに箸やスプーンを持つ手と反対の手がなにもしてなかったら、お皿が動いて
うまく食べれなくなる。→滑り止めシートが必要→外食が難しくなる。
麻痺した手でお皿を固定する能力があれば物的なアプローチが必要ないので外食も可能になる、
といったようにQOLの高い生活がおくれるようになります。
では、どのように麻痺側上肢を訓練すればいいのか?
まずは手の平からしっかり荷重をかけること!!!
これはホムンクルスといって脳の部位と身体の機能の対応関係をまとめた図であり、
手部がいかに大きく占めてるかわかります。
つまり手掌面から荷重をかけて感覚入力していくことで脳に刺激を加えることになります。
逆に空間上に麻痺した上肢が位置してると感覚が入ってこないので、脳は感覚を求めて手を握りこんでしまったり肘を曲げたりしてきます。一般的に言われている片麻痺患者様のマンウェルニッケ肢位は環境に適応して生じる反応です。
こういったことから、麻痺した手をいきなり空中で訓練すると緊張が高まりやすくなるため、
手の平からしっかり荷重かけて適切な促通をしていくことが上肢のリハビリの第一歩となります。