赤ちゃんに学ぶ運動戦略~身体バブリング~
◆私事ですが、
今月で姪っ子が
生後10か月を迎えます(^^)
成長は驚くほど早いもんで、
4月ごろに会ったときは
寝返り・お座りができるようになった
ばかりだったのに、
先週会ったときは
物を掴んで意図的に
離すことができたり、
素早く四つ這いで
移動していました(°д°)
つかまり立ちも上手にやっていて、
片手を離した状態でも立位保持ができる
ようになっていました!
発声や表情の
バリエーションも増えていて、
慣れている人とそうでない人の
区別もついているらしく、
人見知りをして泣く場面もありました。
ちゃんと、
顔や声の違いを
識別できてきてるんだなぁ
と感心しました!
◆そんな超絶かわいい姪っ子を
観察していると、
よく横になった状態で
手足をバタバタ動かしています。
つかまり立ちをしているときは
足で床をドンドン蹴ったり、
腰を振り振り動かしたりと、
とにかく手足・体幹を
しきりに動かしています。
これらの特徴的な行動は、
『身体バブリング』
と呼ばれています。
◆赤ちゃんは、
周囲の環境と
自分の身体の関係性について
よくわかっていません。
そのため、
より多くの情報を取り入れて
少しずつ認識しようとします。
そこで、
身体全身を使ってとにかく
バタバタ動かすことで、
🔴運動感覚・位置覚
(例えば目を閉じた状態で
肘を曲げられても、
曲がっていること自体や
その程度を認識できる感覚)
🔴触圧覚(表在感覚)
(触られている感覚や、
どのくらいの圧が
身体に加わっているかが
認識できる感覚)
から刺激を身体に取り入れて
各感覚を養っています。
それを繰り返していくことで
膨大な量の刺激を吸収・統合して、
だんだん自分の身体部位や
周囲の環境との関係性がわかるように
なっていきます。
◆この『身体バブリング』を
つかまり立ちの状態で行うと、
寝た状態で行うよりも
効率的に取り入れることができる
感覚があります。
それは、
『前庭感覚』
です!
◆『前庭感覚』は、
無意識に
🔴身体の傾き具合
🔴身体に加わる回転の加速度
を主に検知してくれ、
バランス能力の中核を担っています。
横になっている状態と比べて、
立った状態では
重心位置が高くなり、
より不安定になります。
「不安定である」
ということは、
つまり外力がたくさん身体に
加わる、
ということです。
以前にもお話したように、
安定した歩行に必要なことは
「効率的な不安定感」
なので、
立って不安定な状態で
手足や身体をバタバタ動かすと、
その不安定な感覚がたくさん
身体に取り込まれます。
それがやがて
動的な歩行能力の獲得に
つながるわけです。
しかも、
誰からも教わらずに・・・!!
すごいですよね!!!
◆この赤ちゃんの身体バブリングは、
脳梗塞・脳出血後の後遺症に対しても
非常に非常に有効です!!
よくある後遺症の症状として、
🔴触覚が鈍くなる
🔴関節を動かされていても
わかりにくい
などの感覚障害があると思います。
この感覚障害により
バランス能力が低下し、
目線は下を向き杖や歩行補助具が
ないと不安定に感じてしまうことが
よくあります。
しかし、
先程の前庭感覚は
もともと無意識な感覚であり、
この感覚をコントロールしているのは
大脳ではなく脳幹なので、
ほとんどの方は障害されていません。
ではどうすればいいのか・・・?
ここで赤ちゃんが行っている
『身体バブリング』です!!
歩行補助具や平行棒にしがみついて
『安定』した状態では
身体に外力は加わりません!
動的に安定した歩行を
獲得したいのならば、
『効率的な不安定』
を求めて、とにかく身体を
バタバタ動かしてください!!
転倒は心配しないでください!
担当のセラピストさんが転ぶ前に
支えてくれますから!👍
◆赤ちゃんに学ぶ運動戦略・・・
『身体バブリング』
をぜひお試しください(^○^)/
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