顎関節症と首の痛み①
顎関節症(がくかんせつしょう)をご存知でしょうか?
顎関節症になると,
口を開こうとしたときに十分に開かなかったり,顎の関節や筋肉に痛みを感じます.
また,完全に開いてから閉じる際にガコッと急速に閉じるなどの症状がみられます.
原因は様々ですが,
『関節円板』というクッションの役割を担う軟骨が前方にずれてしまうことでしまうことで起こることが最も多いと言わています.
本来,口を開閉するときは関節面に対して下顎骨は前方に動いていきます.
このとき,関節円板があることで頭蓋骨との摩擦を少なくして滑らかに動くようにしてくれています.(図1)
しかしこの関節円板が下顎骨に対して前方にずれてしまうと,本来ないはずの段差を生み出してしまいます.
それにより下顎骨の前方移動を邪魔してしまうことで口が開きにくくなったり,
無理に開けようとして下顎骨が関節円板の段差を乗り越えたときガコッと急速に動くような症状が出てしまいます.(図2)
関節円板がずれてしまう原因も様々ですが,咬むときの筋肉の過活動や顎関節への持続的な外力などが原因であることが多いと言われています.
また,健康な状態であれば口は閉じていても歯と歯は接触はせず,
1日の生活の中で上下の歯が接触する時間はわずか20分以下という研究報告があります.
つまり,その時間を超える頻度で歯と歯が接触していた場合,それは顎関節に対し過剰にストレスがかかってしまっているということになります.
例えば授業中や勉強などで頬杖をつく・何か作業をする際に知らず知らず力んでいて歯を食いしばっていたり・・・などの習慣も顎関節にはストレスとなってしまいます.
また,歯ぎしりのような歯と歯を接触させる癖をTCH(Tooth Contacting Habit)といい,顎関節症患者の約6割の方がTCHを有していると言われています.
そのため,
顎関節症の予防や治療においては,常日ごろ(食事以外の時間)から歯と歯を接触させないように意識することが重要だと思います.
ここまで顎関節症について簡単にご紹介しましたが,重要なことをサラッと説明してしまったのでそこだけ
改めてご説明します!(笑)
顎関節は下顎骨と上顎骨との関節というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思うのですが,
実は頭蓋骨と下顎骨で構成されている関節になります!
論より証拠,と言いますので
ここでちょっとした実験をしてみたいと思います!
- やる気ない感じで力を抜いてポカーンと口を開けてみてください.
- そして首を曲げて顔を下に向けてみてください.
ポカーンと開いてた口は閉じていませんか?
もし体験できなかった方は,友人やご家族の方にやってもらってみてください(^-^)
頭蓋骨は頚椎の動きと連動するので,下顎骨-頚椎は非常に関連性が強いと言えます.
つまり,顎関節に問題があればその影響は頚椎にも波及し,頚椎に問題があれば顎関節に影響する
ということが言えると思います!
ここまでで頚椎と顎関節の関係性について話させて頂きました.
次回はこの関係性について,姿勢・体幹機能を絡めてもう少しだけ掘り下げていきたいと思います!