小脳疾患
【疾患の概要】
小脳は脳の中で大脳の次に大きな部位です。頭の後ろ側に位置し、主に運動機能に関係します。
そして運動体験を通し、それを認知する知覚の役割もをもつ重要な器官です。
小脳に損傷があると「失調」という状態になります。
例えばコップを取ろうと手を伸ばたら、コップを倒してしまったなど、いわゆる「運動の調節ができない」状態になります。
同様に、真っすぐに歩けない、手が震えて字が書けない・大きくなる、言葉がうまく出ない、痺れる、等の症状がでます。
普段、できていたことでも転倒の危険性が高くなってしまったり、介助が必要になるのが特徴です。
小脳失調症を引き起こしやすい病気として、脊髄小脳変性症や血管障害、アルコール性小脳萎縮症、自己免疫性疾患、などがあります。
【小脳疾患への施術方法】
小脳の損傷に対して、運動機能を維持・改善するためには歩行訓練やバランス訓練を行うことが効果的です。
具体的には、固有感覚を中心に視覚等の感覚入力を強化することが小脳弛緩への介入方法となります。
重錘による負荷や、弾力帯装着をしての運動、フレンケル体操、固有受容性神経筋促通法(PNF)も効果的です。
リラクゼーションや反復動作練習、腕や足を伸びきらない上体の中間姿勢を保持する練習も有効です。
廃用症候群を併発しやすいことから、積極的な運動で筋肉を使う機会をつくることが必要です。
また、持久力低下に対しては自転車エルゴメーターなどの有酸素運動や低負荷高頻度の運動が効果的です。
【施術の流れ】
Step1.カウンセリング、アセスメント(評価)
セラピストがカウンセリングとアセスメント(評価)結果を丁寧にご説明します。ご利用者さま個々の目標を考え、リハビリプログラムを組みます。
Step2.リハビリ
カウンセリング、アセスメント(評価)から利用者さまに最適なオーダーメイドプログラムで施術を行います。
例えば、一人で外を歩くことが目標の方に、足の筋力やバランス、関節の硬さなどを改善するための内容で行い、その後実際に外を歩くなど変化を実感して頂きます。
・Step3.内容のフィードバック、結果共有
リハビリした後にはご意見をいただき、担当者からも毎回のリハビリ結果をお伝えます。
お互いの目標が共有されることによってより質の高いプログラムにしていきます。
【こんな方にお勧め】
・完全マンツーマンでリハビリをしたい方 ・オーダーメイドで手厚いリハビリをしたい方 ・量、質ともに充実したい方
・一人や家族では思うように進まず、専門家の意見が聞きたい方
【注意点】
抱えた問題を一人やご家族さまだけで抱え込まないようにしましょう。
前向きな気持ちが体にも良い影響があります。勇気をもってチャレンジしていきましょう。
効果には個人差がありますが、正しい内容でリハビリを行うことで効果を高めることが可能です。