「体幹」と「腹筋」の違い、分かりますか?~脳梗塞リハビリのコツ~
「体幹が大事!」
「腹筋を強く!」

リハビリやトレーニングの場でよく耳にする言葉です。
でも実は「体幹」と「腹筋」には大きな違いがあります。
しかもこの間違いによって、むしろ姿勢が悪くなってしまうこともあるんです。
今日はこの2つの違いを理解して、
姿勢改善やリハビリに有効な鍛え方のヒントをお伝えしようと思います!
まず「腹筋」。
これは、割れるとカッコいいアイツのことです。

筋肉の形としてはこんな感じ。

この筋肉は、体を丸める方向に作用します。
そう。「丸める」んです!
腹筋を鍛えすぎてしまうと、
むしろ姿勢は猫背になってしまいます。
さらにさらに!
腹筋が強くカチカチになると、反対側の筋肉が対抗するためにこれまたカチカチになってしまいます。
腹筋の反対の筋肉、お分かりでしょうか?
そう。腰です!
腹筋の鍛えすぎで腰痛を引き起こしている方も結構多くいらっしゃいます。
「腹筋」は実は取り扱い注意な筋肉なんです。
では「体幹」は?
「腹筋」との違いは?
こちらの画像を見てみてください。

実は「腹」がつく筋肉は4種類もあります。
先程「腹筋」と表現したのが「腹直筋」です。
そして「体幹」と表現されるのが、
「腹横筋」と「内腹斜筋」です。
もっと言えば、「体幹」には
「横隔膜」や

横隔膜:呼吸に使う筋肉
「骨盤底筋群」
も含まれます。

お分かり頂けたでしょうか?
「体幹」とは、
お腹を包み込む筋肉全体(正確にはそのインナーマッスル)のことなんです。
そしてこの体幹の筋肉達の大きな特徴として、
「意識して動かしにくい」
という厄介な特性があります。
なので、意識的な筋トレなどで鍛えるというのが非常に難しいんです。
ではどうやって「体幹」を鍛えればいいかというと、
「2種類のバランスを作る」
ということが大事です。
バランスの1種類目。
「筋肉のバランス」
先ほどお伝えしたように、
「体幹」はお腹を上下左右から包み込むようにして全体にあります。
なので、それぞれの引っ張る力のバランスが崩れると一気に作用しなくなってしまうんです。
どこが硬くなっているか・弱くなっているかは人によって違います。
簡単なヨガのポーズなどを利用して、
自分のどこが硬いかを把握し、
全体のバランスを整えていくと「体幹」は勝手に活動量が上がるという特性があります。

また、横隔膜を正しく動かすために
腹式呼吸・胸式呼吸を行うことや、
骨盤底筋を活性化するために
肛門を締める運動
を行うことも効果的です。
バランス2種類目。
「バランス感覚」
先程「体幹」の筋肉は意識して動かすことが難しいとお伝えしました。
ではどういう時に働くのか?
それが、
「バランスをとる時」
なんです。
体幹を鍛えるためのポーズは何種類かありますが、
そのポーズで
「少しバランスを取らないといけない」
という状態をプラスすることで一気に体幹の筋肉が活動します。

ただ、これは身体の状況によってやるべき内容が大きく変わってきます。
バランスが不安定過ぎても「体幹」は活動が下がってしまうんです。
人によっては「真っ直ぐ立つ」ということだけで十分に体幹が活動するような方もいます。
ここは担当のリハビリの方としっかりと相談しながら進めていってみてください!
このように、人の身体は意外なところに答えがあることがとてもよくあります。
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執筆者:小曽根龍一
理学療法士 認定理学療法士「脊髄障害」
内閣府「地域コアリーダープログラム」フィンランド派遣団
Bobath Concept Advanced Course-Gerlinde Haase女史-修了
Bobath Concept Advanced Course-Mary Lynch女史-修了